秋らしくなってきた。朝晩は冷え込むし、木々は色づいている。私は毎日仕事に追われている。会社では新しいプロジェクトに参加することになったが、チームメイトとのコミュニケーションがうまくいかない。上司からもプレッシャーをかけられている。ストレスが溜まっている。
そんな中で、唯一の救いは彼だった。彼は私と同じ部署に勤める先輩で、優しくて頼りになる人だった。彼は私が困っているときにはいつも助けてくれた。仕事の相談に乗ってくれたり、ランチに誘ってくれたり、時には笑わせてくれたりした。彼と一緒にいるときだけは、仕事のことを忘れられた。
私は彼に惹かれていった。彼も私に気があるのかなと思った。彼は私に優しかったし、時々じっと見つめてきたり、触れ合うときにドキッとしたりした。でも、彼はなかなか告白してくれなかった。私も自分から言えなかった。職場恋愛は難しい。
ある日の夜、彼から電話がかかってきた。「今日は仕事お疲れさま。ちょっと話があるんだけど、明日の夜、食事に行こうか」と言われた。私は嬉しくなった。「もしかして告白されるのかな」と期待した。「うん、行こう」と答えた。
翌日の夜、私は彼と待ち合わせ場所に行った。彼は私を見つけると笑顔で近づいてきた。「今日はありがとう。君が好きなレストランに予約したよ」と言って、私の手を取った。私はドキドキした。「やっぱり告白されるのかな」と思った。
レストランに着くと、彼は私を席に案内した。「今日は君と二人でゆっくり話したかったんだ」と言って、メニューを見た。「何が食べたい？僕はオムライスがいいかな」と言って、私を見た。
私は驚いた。「オムライス？」と聞いた。「え？何か変？」と彼は首を傾げた。「いや、別に…」と私は言葉に詰まった。オムライスは子供が好きなメニューだと思っていたからだ。
君もオムライスにしなよ。美味しいよ」と彼は言って、ウェイターを呼んだ。「二人ともオムライスで」と注文した。「あ、それからデザートも頼んでおこうか。チョコレートケーキが美味しいらしいよ」と言って、ウェイターに追加した。
「デザートも？」と私はまた驚いた。「え？何か変？」と彼はまた首を傾げた。「いや、別に…」と私はまた言葉に詰まった。デザートは女の子が好きなものだと思っていたからだ。
「君は甘いものが好きだろ？僕も好きなんだ」と彼は言って、私の手を握った。「君と一緒に食べるともっと美味しいと思うよ」と言って、私を見つめた。
私はドキドキした。「やっぱり告白されるのかな」と思った。でも、何か違和感があった。彼は私に優しかったし、私のことを好きだと言ってくれた。でも、彼の言動が男らしくなかった。彼は本当に男なのか？
「あの…」と私は言おうとしたとき、彼は口を塞いだ。「待って、まだ話が終わってないんだ」と言って、私に近づいた。「実は君に言いたいことがあるんだ。本当は僕は…」
彼は言葉を切った。そして、私に告白した。「僕は女の子なんだ」と。
